全 情 報

ID番号 03378
事件名 仮処分異議事件
いわゆる事件名 旭東電気事件
争点
事案概要  人員整理に際し、希望退職者の応募者が予定人員に達しないことを理由になされた指名解雇の効力が争われた事例。
参照法条 労働基準法89条1項3号
民法1条2項
体系項目 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇の必要性
裁判年月日 1978年12月1日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 昭和51年 (モ) 7826 
裁判結果 認容
出典 タイムズ380号140頁/労経速報1005号3頁/労働判例310号52頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-整理解雇-整理解雇の必要性〕
 まず、本件人員整理の主目的は、前記認定のとおり不採算部門である会社の製造部門の廃止と高賃金女子従業員の整理にあつたのであるが(〈証拠〉によれば、同五〇年一月一六日付会社から組合宛の希望退職者募集についての申入れ書中にもこの点が強調されている。)、右四六名の希望退職によつてその目的はほぼ完全に達成されたのであるから、会社としては当初の整理予定人員五〇名の枠に固執して強引にこれが完遂を図るのではなく、指名解雇を極力回避する方策について慎重に再検討してみる必要があるものと解すべきところ、申請人らを含む右四名について、系列会社を含めての全体的規模での配転の可能性、或いは本件解雇に至るまで同五〇年一月にわずか一日実施されたに留まった一時帰休、労働時間短縮、新規採用中止による従業員の自然減等の合理化の諸手段により会社内に吸引し得ないか否かを検討した形跡は全くなく、前日まで続けられた希望退職者募集によつて同五〇年二月一五日現在で予定人員に充たない申請人らを含む四名を即時に指名解雇したことは前記認定のとおりであるから、右解雇権行使の手続には信義則違反と評されても止むを得ない面がある。