ID番号 | : | 03393 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 西武バス事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | ワンマン・バスの運転手が二回にわたり合計1000円の運賃の不正領得の意思の発現と目しうる行為をしたことを理由とする懲戒解雇の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務上の不正行為 |
裁判年月日 | : | 1977年4月8日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和51年 (ヨ) 2425 |
裁判結果 | : | 却下(確定) |
出典 | : | 時報877号100頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務上の不正行為〕 疎明資料によれば、債務者会社の就業規則第五四条には、懲戒はその程度によって譴責、減給、格下、出勤停止、昇給停止、解雇の六種類に分けることが規定されていることが認められる。債務者会社の行うバス事業の現状は自家用車の増加や交通渋滞のため苦しい経営を続けている一方、内部の所謂チャージによる損害、士気の低下、秩序の破壊も決して軽視できるものではなく、そのために多額の費用をかけて料金箱を設置し、厳格な取扱を指導しているという一般論については債権者もこれを承認しているところである。そして、債権者が昭和五一年九月五日のみならず、同年八月一六日にも同様の行為をしたこと、このことはまた疎明資料によって窺われる過去数回にわたる規律違反行為についての誓約に違反したものであることを勘案すると、本件懲戒解雇をもって直ちに懲戒権の濫用と断ずるわけにはいかない。 |