ID番号 | : | 03395 |
事件名 | : | 損害賠償請求訴訟事件 |
いわゆる事件名 | : | 谷口製作所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 農機具部品のメーカーの作業場において鋼管が落下したことにより負傷した労働者が損害賠償を請求した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1977年4月28日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和44年 (ワ) 13896 |
裁判結果 | : | 一部認容・棄却(確定) |
出典 | : | 時報871号54頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 鋼管置場は屋外の地面上にじかに鋼管を組み立てて四段の棚を設け、そこに鋼管を横積みにして格納するように作られ、その上にプラスチック板で下屋をかけたものであったこと、鋼管置場の傍には切断機が設置されていて、そこで鋼管を所要の長さに切断する作業が行われ、したがって、その附近は鋼管を棚に格納したり引出して右作業をする場所であったこと、ところが右場所は粘土質の赤土であるため、雨が降ると水はけが悪く水たまりができる個所もあり、またぬかるみになる個所もあって、重量のある鋼管の出し入れその他の作業については足場が悪く、安全な操業ができにくい状態にあったことが認められ、右認定に反する被告代表者尋問の結果は信用しない。他方、被告が右場所について排水設備を作ったり、ぬかるみに砂利を敷いて足場を固める等の手当をしたことを認めるに足りる証拠はない。 そうとすれば、被告は従業員たる原告に対する雇用契約上の安全保護義務を履行しなかったものというべきであり、本件事故は右不履行に因り生じたものと解するのが相当である。 |