ID番号 | : | 03400 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 鹿島建設事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 地下発電所建設工事現場における電気発破作業中の死亡事故につき、遺族が損害賠償を請求した事例。 |
参照法条 | : | 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1977年6月15日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和47年 (ワ) 5567 |
裁判結果 | : | 一部認容・棄却(確定) |
出典 | : | 時報862号10頁/労働判例286号91頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 使用者は労働者に対し、労働契約に基づき、労務の提供に対し賃金(報酬)を支払う債務を負担していることはいうまでもないが、もとより使用者の労働者に対する債務は右の賃金支払債務につきるものではなく、労働契約の内容が、使用者において労務給付の場所、設備、機械、器具等を提供し、労働者をこれに配置してその労務給付を実現させるものである場合には、使用者は、信義則上労働契約に付随する義務として、労働者に対し、労働者の生命及び健康に危険を生じないように注意する義務(いわゆる保護義務)を負担するものと解するのが相当である。そして、右の使用者の保護義務の具体的な内容は、当該労働契約の内容、使用者の提供する労務給付の場所等の具体的な状況により決定されるものであるが、更に旧法四二条以下及びこれに基づく旧規則(現在においては、労働安全衛生法及びこれに基づく労働安全衛生規則(昭和四七年労働省令第三二号。以下「新規則」という。)等の規定する使用者の義務も、使用者の労働者に対する保護義務の具体的な内容を構成するものというべきである。 |