ID番号 | : | 03402 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 関西マネジ興業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 電話交換手から清掃係への配転を拒否して解雇された者がその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の濫用 解雇(民事) / 解雇と争訟・付調停 |
裁判年月日 | : | 1977年7月13日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和51年 (ヨ) 3331 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例286号87頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の濫用〕 本件解雇の直接の原因になったと解される清掃係への配転拒否については、申請人が当時の電話交換手の中では最も新参であり且つ前記の様な事情で同僚との折合も悪かったと認められるのであるから電話交換手が過員であって誰かを転出させるとすれば申請人を人選したことには一応の合理性は認められないでもないが、当時における状況は電話交換手が一時的に過員になったといっても、半月もすれば(九月末になれば)その中の一人が結婚の為退職の予定であって過員は近く解消する筈であったし、申請人を配転し次で本件解雇した直後に短期アルバイトを入れていること等からすれば右配転命令を発した九月一三日の時点で強いて申請人を転出させなければならない丈の必要性は乏しかったといわざるをえず結局右配転命令は人事権の濫用として無効であり之に従わなかったことを以て就業規則三三条一一号にいう業務上の指揮命令に従わなかったとして問責することはできないといわねばならない。 〔解雇-解雇と争訟〕 ところで申請人は資格を取得した後電話交換手として会社に雇傭されその業務に従事してきたものであって本件配転命令を一議に及ばず拒否したことからもうかがわれる様に清掃係等他の職種に変る意向は全くなく、且つ以前に寝屋川市所在の本社への配転を通勤困難さも一理由として拒否しまた前記和泉市の電話交換手公募に応じたことからも明らかな様に和泉市役所の電話交換手としての勤務に固執し(申請人を支持する泉州労連や市職組の一部は電話交換業務の和泉市直営を主張し会社の排除を唱えていた。)ていたこと、会社は建物の一般管理業者ではあるが清掃と警備が主で昭和五〇年頃からは電話交換業務は本件和泉市との委託契約が唯一のものであった所、之が解除されるに及んで電話交換業務部門を全廃し当時の電話交換手全員を退職させていること、等を総合考察すると申請人の復帰すべき原職はなくなり且つ会社の他の部門(考えうるものとしては清掃係位である。)に配転することも申請人の従前の態度からみて不能と認められる(申請人は前記二回に亘る配転命令を拒否したのは不当労働行為性の強い命令だから拒否したにすぎず、凡ての場合に拒否するとは限らないというが、申請人が職種特定を強調していたこと等からすれば清掃等他の業務えの配転に応ずるとは認め難いので右主張は採用し難い。)から、本件解雇は無効であるが、申請人は昭和五一年一一月三〇日の会社と和泉市との電話交換委託契約の解除(申請人は右契約解除も不当労働行為であるというが採用し難い。)の日を以て会社従業員たる地位を失ったものというの外はない。 |