ID番号 | : | 03427 |
事件名 | : | 免職無効確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 国鉄職員免職無効確認請求事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 基地撤去要求等県民集会およびこれに続くデモに参加した際、警備中の警察官を足蹴りして傷害を負わせ、公務執行妨害罪、傷害罪により懲役五ケ月、執行猶予一年の判決を受けたことを理由とする国鉄職員の懲戒免職処分の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 日本国有鉄道法31条 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 有罪判決 |
裁判年月日 | : | 1976年1月26日 |
裁判所名 | : | 山口地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和46年 (ワ) 144 |
裁判結果 | : | 認容(控訴) |
出典 | : | 時報810号99頁 |
審級関係 | : | 上告審/01885/最高二小/昭56.12.18/昭和55年(オ)1号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-有罪判決〕 国鉄法三一条一項一号は、懲戒事由として、「この法律又は日本国有鉄道の定める業務上の規程に違反した場合」をあげているが、右の規定は、同項二号に職務上の義務に違反し、又は職務を怠たった場合をあげ、職員の職務遂行に関連した行為に限って対象としていること、ならびに、就業規則六六条一六号、一七号に定める具体的な懲戒事由と対比し、単に、職員が業務の遂行に関連してなした行為のみを規制の対象としているものではなく、広く職場外でされた業務の遂行に関係のない行為であっても、国鉄の事業の円滑な推持、発展に関連するものと客観的に認め得る職員の事業遂行に直接関連しない行為ないし私生活上の行為をも規制の対象とするものと解すべきである(前記最高裁判決参照)。 本件についてみるに、原告の行為は、前記認定の如く警備中の警察官に暴行を加えた公務執行妨害罪、傷害罪に該当するのであり、右行為は、著しく不都合なものといわなければならない。 そうしてみると、原告の本件行為は、国鉄法三一条一項一号およびこれに基づく就業規則六六条一七号所定の懲戒事由に該当するものと解する。 (中略) 免職処分は、他の処分と異なり、職員を企業外に放逐し、その生活の基盤を奪う厳しい制裁処分であるから、免職処分の選択については、懲戒権者の自由裁量にまかせられるべき性質のものではなく、事件の原因、態様、殊に具体的な業務阻害等の結果の発生、他の職員および社会一般に及ぼす影響等の諸事情を総合的に判断し、被告の企業秩序の維持確保のため、当該職員を企業外に放逐するほかはないと客観的に認められる場合に限るのが相当である。 |