ID番号 | : | 03433 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 酒井製麺所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 麺類製造用ミキサーに巻き込まれて死亡した事故につき、使用者に安全配慮義務違反があったとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1976年2月9日 |
裁判所名 | : | 山形地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和44年 (ワ) 122 |
裁判結果 | : | 一部認容・棄却(控訴) |
出典 | : | 時報844号72頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 第四 債務不履行責任 一(一) 生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務、いわゆる安全配慮義務は、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきものであるが、本件においては、博は被告会社と雇用契約を締結し特別な社会的接触の関係に入っているのであるから、被告会社は雇主として被傭者であるAの生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき安全配慮義務を負っていたといわなければならない。 (二) 右安全配慮義務の具体的内容は、当該具体的状況等により決せられるべきであるが、これを本件についてみると、Aが開口部から手を差込んだ動機、本件事故の発生、後記二の因果関係の項で述べる諸事情を考慮すると、被告としては、開口部に蓋をしてゴミ等が混入しあるいは異物が入り込まないようにし、また、作業後清掃を完全に行える時間を設け作業後に清掃を完了するよう教育すべきであったといわなければならない。 |