ID番号 | : | 03474 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 財団法人小倉地区労働者医療協会・三萩野病院(仮処分)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働者や低所得者の医療を目的とする病院が、事業拡張の必要から雇入れた医師の診療方針、方法も一因となつて経営悪化を招き、経営上やむをえないとして行った整理解雇および右整理解雇に反対して就労闘争を行った医師の違法行動を理由とする解雇につき、その効力が争われた仮処分の事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇の要件 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇基準・被解雇者選定の合理性 |
裁判年月日 | : | 1975年3月31日 |
裁判所名 | : | 福岡地小倉支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和47年 (ヨ) 103 昭和47年 (ヨ) 267 |
裁判結果 | : | 却下(控訴) |
出典 | : | 時報789号89頁/タイムズ321号145頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-整理解雇-整理解雇の要件〕 一般に解雇は労働者に重大な脅威を与えるものであるから、軽々に行なわれるべきでないことはもちろんであるが、労働者に特段の一責に帰すべき事由」がないいわゆる整理解雇の場合にあっては、極めて厳格な要件が必要とされるものというべく、その要件としては、(一)人員整理を行なわなければ倒産必至という客観的事実があって、その人員整理が合理化の最も有効な方法であること、(二)人員整理に至る過程においてこれを回避し得る相当の手段を講じたこと、(三)被解雇者の選定が客観的且つ合理的な整理基準の適用に基いたものであることが必要であり、右(一)ないし(三)の要件を備えて始めて企業経営上やむを得ない場合として整理解雇が許されると解すべきであって、これらの要件を具備しない整理解雇は解雇権の濫用であり無効であるというべきである。 〔解雇-整理解雇-整理解雇基準〕 整理解雇における整理基準そのものが合理的でなければならないことはもとよりであるが、これに該当するかどうかも客観的合理的に決定されなければならず、被申請人の恣意的主観的判断によるべきでないことは当然であるから、以下申請人らのそれぞれについて、整理基準該当性の有無を検討する。 (中略) 前認定のとおり、昭和四七年二月二七日以降第二次解雇までの申請人X1、同X2、同X3の言動は、医師である前に人間として常軌を逸した行動と評する外はないのであって同申請人らに対する第二次解雇はいずれもまことに相当であって、何ら違法不当な廉はない。 |