ID番号 | : | 03489 |
事件名 | : | 従業員たる地位確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 愛知地方同盟事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働組合の地方組織でオルグ活動に従事してきた書記局員が、組合幹部の賭博行為を警察に告発したことで協調性の欠如、職務不適格を理由に解雇された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法90条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇権の濫用 |
裁判年月日 | : | 1975年10月22日 |
裁判所名 | : | 名古屋地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和46年 (ワ) 280 |
裁判結果 | : | 一部却下(控訴) |
出典 | : | 時報799号92頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇権の濫用〕 以上説示の各事情及び昭和四四年に被告は原告を書記局から一旦外部団体へ出そうとはしていたが、原告の解雇まで考えていたとは解せられないことを併せ考えると、本件解雇は、原告の性格的短所による書記局員としての不適格性が決定的な理由でないことは明らかである。即ち、被告の幹部が自らの姿勢を正し、同盟傘下の多数労働者の指導者としての自覚を持ったうえ原告に対する指導に当ったならば、原告はいわゆる同盟路線というものを十分認識、理解し被告を人一倍愛していたと思われるのであるから、原告の前記のような性格的短所を匡正することも可能であったと考えられる。しかるに、右のような努力をせず安易に本件解雇をなすに至ったのは、被告内部での賭博行為を原告が告発したことを組織の破壊に直結するものと把え、組織防衛のためには原告を排除するのほかはないとの意識が強く働いた結果であると解せざるを得ない。したがって、本件解雇は、解雇に値する相当の理由を欠いており、解雇権を濫用するものとして無効というべきである。 |