ID番号 | : | 03630 |
事件名 | : | 未払賃金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 毎日放送事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合側の五〇数波に及ぶ全面スト、部分スト、指名ストに対して会社側がロックアウトを行ない賃金を控除したことに対して組合員が賃金支払を請求した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法3章 民法536条2項 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 争議行為・組合活動と賃金請求権 |
裁判年月日 | : | 1972年6月7日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ワ) 6451 |
裁判結果 | : | 認容(控訴) |
出典 | : | 時報707号98頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 本多淳亮・判例評論178号33頁 |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金請求権の発生-争議行為・組合活動と賃金請求権〕 これをロックアウトの法的効果として認容される労務の受領遅滞の免責すなわち賃金支払義務を免れるために必要とされる要件についてみれば、ロックアウトが本来争議行為による危険の分配として、労働者の賃金喪失に対し、使用者が一時的生産停止(利潤の喪失)をかけることによって労働者の争議行為に対抗する点にかんがみ、争議行為の結果使用者の賃金負担に見合わない労働力が提供されるため、使用者の負担が受忍できない程度に過重となった場合でなければならないと解するのが相当である。これを例えば、部分(時限)ストライキや波状ストライキの結果、関連業務に麻痺を生じ、あるいはストライキとストライキの間に提供される労務の成果が著しく減殺され、ないしはストライキ解除後の業務再開に多大の経費と時間のロスを伴うなど、ストライキに参加しない残余労働者に対し使用者において無用の賃金負担を余儀なくさせるような場合をなすものというべきである。 |