ID番号 | : | 03637 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 高田工業所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 大学在学中であるのに最終学歴を高校卒と偽って採用され試用期間中の者が、右学歴詐称を理由として解雇され、その効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 経歴詐称 労働契約(民事) / 試用期間 / 本採用拒否・解雇 |
裁判年月日 | : | 1972年7月19日 |
裁判所名 | : | 福岡地小倉支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和46年 (ヨ) 301 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | タイムズ283号226頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-試用期間-本採用拒否・解雇〕 〔解雇-解雇事由-経歴詐称〕 いわゆる試用期間中の従業員につき経歴詐称等信義則違反の事実が発覚した場合において、かゝる事実は、之が当該労使の信頼関係を将来において容易に回復できる性質程度のものに止まる場合を除き、原則として当該従業員の採用取消ないし解雇の事由となりうるものであり、信義則違反を理由とする使用者の解雇は試用制度の目的に適合する合理的範囲内の事柄に属すると解すべきところ、之を本件についてみれば、前示申請人の経歴詐称の態様、入社前後の経緯から明らかなとおり、申請人被申請人間の信頼関係は申請人の経歴詐称を含む前示一連の信義則違反の言動により今後容易に回復できない程度まで既に破壊されたことが認められるのであつて、果して然らば被申請人の前示解雇通告は正当有効な処分であり、なんら無効な点はないといわなければならない。 |