ID番号 | : | 03692 |
事件名 | : | 解雇無効確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 国士館高校事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 私立高校の教員に対する遅刻、服装規律違反等を理由とする解雇につき、真の理由は学園民主化活動にあるとして権利濫用にあたり無効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法1条3項 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度 解雇(民事) / 解雇権の濫用 |
裁判年月日 | : | 1971年8月23日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和43年 (ワ) 8859 |
裁判結果 | : | 認容(控訴) |
出典 | : | 時報643号16頁/タイムズ271号140頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 加藤俊平・判例評論156号2頁 |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-勤務成績不良・勤務態度〕 〔解雇-解雇権の濫用〕 (二) 以上認定のような諸事情、ことに被告代表者Aの言動、たとえば、(イ)昭和四〇年一〇月二八日被告の主張によれば勤務成績不良の原告X1に対し昇給をほのめかし、(ロ)いったん親睦会活動を公認しながら、それが公然と活動を始めるや、直前になってその開催中止を強要し、(ハ)原告X1および同X2に対する解雇の告知に当たって、親睦会に出席しあるいは出席しようとしたことが解雇の理由であるかのように言明している事実などにかんがみ、かつ、前述のように原告らに対する被告主張の解雇理由が解雇理由としてきわめて薄弱なことを合わせ考えれば、原告らの真の解雇理由は、原告らが親睦会活動に関与したことを被告が嫌悪したとともに、右活動に打撃を与えることをねらいとしたものであると推認するのが相当である。そして、本件解雇の真の理由が右のようなものであるとすれば、かかる解雇の意思表示が解雇権の濫用というべきはこれ以上多言を要しない。 |