ID番号 | : | 03738 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分異議事件 |
いわゆる事件名 | : | 福井県福祉事業団事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 勤務上のトラブルを契機として退職願を提出した女性の手伝い員が、後に右退職願に基づく労働契約の合意解約の効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 民法95条 |
体系項目 | : | 退職 / 合意解約 退職 / 退職願 / 退職願と錯誤 |
裁判年月日 | : | 1986年3月28日 |
裁判所名 | : | 福井地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和59年 (モ) 180 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働判例476号44頁/労経速報1270号17頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔退職-合意解約〕 〔退職-退職願-退職願と錯誤〕 以上の各事実が一応認められる。 右認定の経緯からすれば、債権者は、Aの伝言を受ける以前から退職を考えていたことが明らかであり、右に加え、伝言を受けた後も何らB支配人にその趣旨を問合すことも、また自己が真実職場に戻りたいとの意思を表明することもなく退職願を提出していること、さらに提出された退職願の様式はAから受領したものと異なり、それ以前に本部で受取ったものと同様式のたて書きのものであるなど本件退職願提出の前後にわたる事実関係に照らすと、債権者はむしろAからの伝言の内容とは別途、独自の判断で退職を決定したものと認められる余地すら存するのであって、これらを併せると債権者がその意思を決するにあたって、その主張のような瑕疵があったと認めることは、とうていできない。前示債権者の供述等は措信できない。 したがって、債権者の本件退職願提出による労働契約合意解除の申込みについて何らの錯誤も存しないことは明らかであって、また、前記認定事実によれば、何ら強迫による意思表示に該当するものでないことも多言を要しない。 |