ID番号 | : | 03741 |
事件名 | : | 配転命令差止仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 国鉄東神奈川電車区事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 他電車区への業務移管に伴う配転命令の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の限界 |
裁判年月日 | : | 1986年3月31日 |
裁判所名 | : | 横浜地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和61年 (ヨ) 213 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例472号10頁/労経速報1261号7頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の限界〕 そこで債権者らは、まず本件各配転命令の理由となっている東神奈川電車区における前記業務移管が本件第一協定の前記各確認事項に違反するものであるから本件各配転命令も違法であると主張するところ、なるほど本件第一協定が標題として「労働条件に関する」ものである旨明示していることや、一件記録によると前記各確認事項が南鉄局と東京地本との団体交渉の場で妥結したもので、しかもその交渉の過程において当局側が「確認事項第一項でいう東神奈川電車区で実施するとは、東神奈川区職員が行うことの意であるが、よいか」との問いに対して、組合側が「了解」と回答していることが一応認められるから、本件第一協定の前記各確認事項に労働協約たる性格が存していることは否定し難い。しかしながら、右各確認事項の趣旨は、東神奈川電車区の検修業務を担当する職員がいかなる検査、修繕等の業務を行うのかに関して具体的に協定されているという意味での同電車区の職員の労働条件が規定されているにすぎず、右各確認事項から直ちに債務者が将来にわたり同電車区に検修業務部門を存続させるべき義務を負うとするのは疑問である。すなわち、右各確認事項は、同電車区に検修業務部門が存在している限度で同業務を担当する職員の労働条件を規定したものというべきである。さすれば、本件各配転命令の如く債務者における作業効率等業務上の必要性から同電車区の検修業務部門を他の電車区に移管することに伴う配転命令は、右各確認事項の適用されるべき事態と範囲を異にしているといわざるをえず、従って、本件各配転命令に債権者らの主張するような本件第一協定違反の問題は生じない。 |