ID番号 | : | 03745 |
事件名 | : | 労働契約上の地位確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 仙台ブロック・トラック運送事業厚生年金基金事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 会社が、職員退職手当支給規程における退職金支給率を切下げたことに対して、その従業員が、旧規程の定める支給率による退職金請求権を有する労働契約上の地位にある旨の確認を求めた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3の2号 労働基準法3章 |
体系項目 | : | 就業規則(民事) / 就業規則の一方的不利益変更 / 退職金 |
裁判年月日 | : | 1986年4月15日 |
裁判所名 | : | 仙台地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和60年 (ワ) 1045 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例473号11頁/労経速報1254号9頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 野間賢・季刊労働法141号197~199頁1986年10月 |
判決理由 | : | 〔就業規則-就業規則の一方的不利益変更-退職金〕 1 原告らが本件各訴えにおいてそれぞれ確認を求めている権利関係は、結局のところ、旧規定がなお有効であるとすれば、これによる原告らの将来の各退職時に被告から原告らに対し支給されるはずの退職金についての権利関係であるところ、原告らの被告に対する退職金債権はその履行期が将来の原告らの各退職時であるのみならず、その額及び支給方法等具体的債権の内容は、原告ら各人の退職時における就業規則及び退職手当支給規定の定めるところにより退職時に具体的に確定するものであって、現在の段階においては、未だ確定していないのであるから確認判決の対象とすべき法的紛争としては未成熟といわねばならない。 2 のみならず、仮に本訴において本案判決がなされたとしても、将来原告らの各退職時までに更に被告により退職金支給規定等が変更される可能性もあり、そうした場合は、再び本訴のような紛争が生じる可能性を否定できず、従って、本件各訴えは、決して原告らの主張するような原告らの被告に対する退職金債権に関する法的紛争を有効かつ抜本的に解決し得るというものでもない。 3 更に、原告らは、退職後に新規定の効力を争うのは困難であるとも主張するが、本訴における新規定の効力についての原告らの主張内容からは必ずしもそのようには認められない。 4 従って、本件各訴えは、確認訴訟の対象適格の点からも、また確認の必要性の点からも、不適法といわざるを得ない。 |