ID番号 | : | 03756 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 栗田運輸事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合との合意により解雇を撤回し出勤停止処分に切りかえるとともに、処分明け後の職場復帰を認めたにもかかわらず、右処分明け後も就労させず、賃金の一部しか支払っていないことにつき、賃金の全額支払いが請求された事例。 |
参照法条 | : | 民法536条2項 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 就労拒否(業務命令拒否)と賃金請求権 |
裁判年月日 | : | 1986年7月2日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和61年 (ヨ) 2239 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例477号18頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 野間賢・季刊労働法142号186~188頁1987年1月 |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金請求権の発生-就労拒否(業務命令拒否)と賃金請求権〕 債務者会社が債権者らの就労を拒否している主たる理由は、前記認定のように、債務者会社の他の従業員が債権者らの就労に強く反対しており、債権者らの就労を認めると混乱が生ずることが懸念されるというものであるが、他の従業員が債権者らの就労に反対していることだけでは、債務者会社が債権者らの就労を拒否する正当な理由にならないことはいうまでもなく、これが正当とされるためには、他の従業員が債権者らの就労に反対することがやむを得ないと認められるだけの事情が存在し、債務者会社において債権者らの就労を拒否することもやむをえないと認められる場合であることを要するものというべきである。しかし、疎明資料及び審尋の結果によっても、他の従業員が債権者らの就労に反対することがやむをえないと認められるだけの事情が存在すると認めるに足りない。 |