ID番号 | : | 03762 |
事件名 | : | 配転命令停止仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 日興乳業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 早朝(午前二時~午前一一時)の配送業務から昼勤(午前九時~午後六時)の集金業務へ配転された者が、その効力停止の仮処分を申請した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠 |
裁判年月日 | : | 1986年7月31日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和61年 (ヨ) 523 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例480号28頁/労経速報1275号5頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令の根拠〕 以上に認定したところにより本件労働契約の内容についてみるに、申請人は被申請人の行った早朝配送業務に従事する普通運転手の募集広告に応募して同業務に従事する従業員として採用され、以来本件配転命令時まで同業務に従事してきたものであるけれども、他方、申請人が採用されるときそれに従い誠実に勤務する旨誓約した被申請人の就業規則ないしその付則(申請人の採用当時のもの及びその後変更されたものを含む。)には、被申請人は業務の都合により従業員に対し配転を命ずることができ、従業員は正当な理由がない限りこれに従わなければならない旨の規定があること、前記三4に認定した被申請人の規模及び内部組織形態、申請人の従事していた早朝配送業務は営業部門の中の極一般的な職種であって何ら特殊技能や熟練、高度の慣れ等を要しないものであること、前記三6に認定した被申請人における従前の配置転換についての慣行ないし配置転換例等の事情をも勘案すると、本件労働契約の締結に当たっては、申請人を採用後さしあたり相当期間早朝配送業務に従事させることが当事者間で予定されていたものの、相当期間経過後も申請人の職種が早朝配送業務に限定され他の業務に配置転換されることはないということまで合意されていたとみるのは困難であり、少なくとも同一営業部内で特殊技能や熟練等を要さず労働条件のさほど異らない他の業務への配置転換に関する限り、被申請人が就業規則に則り申請人の同意なくして命ずることができるということが労働契約の内容になっていたと認めるのが相当である。 |