全 情 報

ID番号 03764
事件名 出勤停止処分無効確認等請求控訴事件
いわゆる事件名 日本アルミニウム建材株式会社事件
争点
事案概要  労働協約に「会社は組合員の政治活動並びに公職就任の自由を認める。但し組合員は労働時間中及び社内においては一切の政治的活動を行わない」旨規定されている企業において、昼の休憩時間中に、会社施設内で「選挙期間中だれにでもできる選挙運動」等と題して「赤旗」、「日本共産党」等を引用した印刷物等を配布したことを理由として三日の出勤停止処分に付された者が右処分の効力を争った事例。
参照法条 労働基準法34条
体系項目 休憩(民事) / 休憩の自由利用 / 休憩中の政治活動
裁判年月日 1986年8月19日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和58年 (ネ) 480 
裁判結果 棄却
出典 労働民例集37巻4~5号342頁/労経速報1266号15頁/労働判例483号14頁
審級関係 一審/01320/横浜地/昭58. 2.15/昭和49年(ワ)1275号
評釈論文 藤原稔弘・季刊労働法142号191~194頁1987年1月
判決理由 〔休憩-休憩の自由利用-休憩中の政治活動〕
 そして、社内における政治活動は、従業員相互間の対立、軋轢を生じさせ職場規律を乱すおそれがあり、就業時間中に行われると労務提供義務に違反し、また、休憩時間中に行われても他の従業員の休憩時間の自由利用を妨げ、ひいては作業能率の低下を招くこと、本件労働協約(成立に争いのない乙第一号証)一八条は、「組合員は労働時間中及び社内においては一切の政治活動を行わない。」と規定しており、控訴人は、組合員として、右規定を知っていたものと推測されるが、あえてこれに違反して社内において休憩時間中又は就業時間中に政治活動に該当する前記各行為をしたものであり、これらの点を考慮すれば、控訴人の赤旗選挙ビラ配布に対し本件就業規則八五条一一号を、Aビラ配布、Bメモ交付に対し同号及び同条九号を適用してなされた本件各処分はいずれも適法であるといわなければならない。