ID番号 | : | 03786 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 国鉄仙台新幹線第一運転所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 業務命令拒否、職場離脱など三七の理由を挙げてなされた国鉄職員に対する懲戒免職処分が有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職場離脱 |
裁判年月日 | : | 1986年10月22日 |
裁判所名 | : | 仙台地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和58年 (ヨ) 218 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例491号48頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職場離脱〕 右各事実に照らして考えると、債権者が点呼場所の変更に反対して点呼に出頭しなかったり、くじ引、見習の張り付け、年休等の問題について管理者に質問し、あるいは抗議した動機、背景等にはそれなりに理解できるものである上、管理者側の対応にも全く問題がなかったとは言えないけれども、例えば、点呼場所の変更問題にしたところで、その点呼場所変更が違法不当なものであったとは言えないから、その変更に不服だからといって管理者側の指示に従わず新たな点呼場所に出頭しないなどのことが正当化されるいわれはなく、またくじ引や見習の張り付けなどについても、管理者側にそうしなければならない止むを得ない事情が存したのであるから、債権者のそれらの問題についての抗議等を必ずしも全面的に当を得たものとして肯認することはできない。 のみならず、例えその動機、背景において正当な抗議等の行動であったとしても、本来それら指摘の問題は、その所属する労働組合を通じて管理者側との交渉により解決するのが相当であるというべきであるし、質問や抗議等の名目で、上司の業務上の指示に服さず、業務を妨害したり、上司に対し暴言、暴力的行為に及ぶなどのことは明らかに行き過ぎで、著しくその手段方法を誤るものというべきであるから、到底正当な行為と評価することはできない。 従って、右暴言等の行為を理由に懲戒処分に付したとしても、違法不当であるとはいえず、債権者の主張は理由がない。 |