ID番号 | : | 03804 |
事件名 | : | 配置転換停止仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 笠戸船渠事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 修繕部から造船部への配転命令につき、配転に関する手続慣行に反し、また組合間差別の不当労働行為にあたるとして、新職場に就労する義務の存しないことを仮に定めた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働組合法7条 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の限界 |
裁判年月日 | : | 1986年12月10日 |
裁判所名 | : | 山口地徳山支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和58年 (ヨ) 65 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働判例489号31頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令の根拠〕 (証拠略)によれば、債務者の就業規則第五条には、債務者は業務の都合によって転勤又は職場、職種の変更を命じることがある旨の定めがあり、(証拠略)によれば、債務者の造船所はA造船所だけであるが、従来からその内部において、従業員特に現業部門の造船部、修繕部の従業員につき、両部門間の配転を頻繁に行っていることが、それぞれ一応認められ、他方、債権者らにつき、債務者との間の労働契約締結に際し、特にその職場及び職種を限定する合意がなされたとの主張はない。 したがって、債務者は、業務上の必要に応じ、その裁量により債権者らに配転を命じることができるものというべきである。 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の限界〕 (2) 右のとおり、本件配転は、労使慣行となっていた「候補者に対する事前の内示、候補者の同意、所属組合に対する徴意見、公表、発令」という一連の手続をまったく無視し、一方的人選のうえ直ちに公表してしまったものであり、しかも右のごとき手続違背を正当化するに足りるべき特段の事情について、債務者は何らの主張、疎明もしないのであるから、債務者の本件配転命令は、その手続違背の程度がはなはだしい点において、配転命令権の濫用、信義則違反にあたるものといわねばならない。 |