ID番号 | : | 03806 |
事件名 | : | 賃金仮払仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | ナニワ生コン事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | ロックアウト中の賃金請求につき、本件ロックアウトは正当性を欠くとして右請求を認容した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法24条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / ロックアウトと賃金請求権 |
裁判年月日 | : | 1986年12月16日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和61年 (ヨ) 3623 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労経速報1278号3頁/労働判例488号31頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金請求権の発生-ロックアウトと賃金請求権〕 (二) そこで、右の見地に立って、本件ロックアウトの正当性を判断するに、本件ロックアウトは、一月以来の業績不振(売上の二〇%低下)を脱却する途についたばかりの会社が、本件争議を受けて、業績の回復を図る目的のもとに開始したものであるが、交渉態度、交渉の経過、争議行為の態様において、組合にも一部不相当な点(とくに実力による出荷妨害)があったとはいえ、会社の対応に比し、組合が一方的に非難されなければならないとまではいえず、争議期間中(七月二五日を除く)も会社は分会員以外の従業員及び日雇乗務員を使用して六月以前と同程度の業績をあげ得た状況にあったのであり、七月二五日に展開されたような積極的争議行為が、散発的にはともかく、短期間のうちに繰り返して実施される可能性は組合及び分会の力量から見て小さかった(組合に動員力があれば、ロックアウト後といえども連日若しくは数日おきに繰り返されたと推認される。)のであるから、ロックアウト開始時点において会社が倒産を目前に控えていたとは考えられず、結局のところ本件争議により会社が「著しく」不利な圧力を受けていたとは解しえず、したがってロックアウトは本件争議に対抗する防衛的手段としては相当性を逸脱した過剰な所為というべきであるから本件ロックアウトが厳格な要件を具備した正当なものであったとは解しえない。 (中略) 申請人らは会社に対して、ロックアウト中の未払賃金として、左記の金員の支払いを請求する権利を有している。 |