ID番号 | : | 03812 |
事件名 | : | 訓告処分取消等請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 津山郵便局事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 年次休暇請求に対する時季変更権の行使がなされたにもかかわらず出勤しなかったことを理由とする訓告処分の取消請求につき、本件では適法な時季変更権の行使がなされたとして、郵政事務官による控訴を棄却した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法39条4項(旧3項) 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 年休(民事) / 時季変更権 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反 |
裁判年月日 | : | 1986年12月25日 |
裁判所名 | : | 広島高岡山支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和56年 (行コ) 1 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働民例集37巻6号584頁/労働判例490号26頁 |
審級関係 | : | 一審/01386/岡山地/昭55.11.26/昭和50年(行ウ)9号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔年休-時季変更権〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕 控訴人は、そもそも年休制度は、本来一定の業務阻害を当然の前提に成り立っているものであるから、使用者はこれを付与するために最大限の努力をすべきものであり、このような努力なくして年休の取得を拒むことはできず、従って、時季変更権を行使するには、個々の業務阻害の域を超えて事業場全体に重大な支障を生ずるような場合に限られる旨主張する。 年休制度が、一面で当然ある程度の業務阻害を伴うものと観念し得るものであり、にもかかわらず、年休制度の趣旨からして、これを付与するために使用者が最大の努力をすべきものであることは、控訴人主張のとおりである。 しかし、そうした努力にもかかわらず、なお事業運営の必要上休暇を付与し難いときは、使用者としては、事業の正常な運営を図るべき使用者としての責任上、時季変更権を行使し得るものであり、このようにして年休の付与と、業務の正常な運営との均衡をとり得るものと解されるところである。 そして、本件がかかる場合に該当することは既に説明したとおりであり、また、事業阻害の点も、津山郵便局における郵便物の集配業務は、その中心的業務であって、同局の事業の正常な運営を阻害するものと十分みられるところであるから、控訴人の右主張を考慮にいれても、なお前記認定説示したところは左右されないものというべきである。 |