ID番号 | : | 03813 |
事件名 | : | 雇用関係存在確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 国鉄勝浦運転区事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 酒酔い運転により事故を発生させ、道路交通法違反等により懲役九月・執行猶予三年の有罪判決をうけた国鉄職員に対する懲戒免職処分が有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 有罪判決 |
裁判年月日 | : | 1986年12月26日 |
裁判所名 | : | 千葉地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和59年 (ワ) 976 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例489号18頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-有罪判決〕 (一) まず、原告の誠意であるが、前認定程度の誠意は、飲酒運転による事故を起こした加害者として当然とって然るべき態度であり(本件事故後、数か月間の間は、被害者Aはむしろ原告の誠意のなさに憤慨していたのである)、格別にこれを特筆して、そのために本件処分が社会観念上著しく妥当を欠く、と非難することはできない。 (二) 次に、Bに対する処分との比較であるが、(証拠略)によれば、事故を起こした当時におけるアルコール保有量がBの場合には呼気一リットルにつき〇・二五ミリグラムで未だ酒気帯びの程度であったこと(原告の場合は、前認定のとおり、〇・七五ミリグラム保有し、酒酔い状態であった)、原告は、本件事故前の昭和五〇年九月にも酒酔い事故を起こし、罰金三万五〇〇〇円、免許停止九〇日の処分を受けていること、また、原告は、昭和四四年五月九日自転車盗、昭和五七年三月二六日無銭飲食でそれぞれ逮捕された前歴(いずれも起訴猶予)を有すること、Bは、平素の勤務態度が良好であったのに反し、原告は、昭和五六年五月と昭和五七年三月に各八日間程の無断欠勤があったうえ、病気欠勤も非常に多いこと等の諸事実が認められ、右諸事実に鑑みれば、単純にBに対する処分との比較から、本件処分が社会観念上著しく妥当を欠く、ということもできない。 (三) よって、本件処分が裁量権を濫用した違法なものであるとはいえない。 |