ID番号 | : | 03844 |
事件名 | : | 金員支払・地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 澤井商店事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 税務調査の際その不手際で脱税が発見されたこと等により使用者から退職願を出さないと懲戒解雇する旨言われて退職願を提出した女子従業員が右意思表示は強迫によるものであるとしてその取消をしたことにつきその効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法96条 |
体系項目 | : | 退職 / 退職願 / 退職願と強迫 |
裁判年月日 | : | 1989年3月27日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和63年 (ヨ) 3206 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例536号16頁/労経速報1359号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 森口悦克・経営法曹98号29~37頁1991年11月 |
判決理由 | : | 〔退職-退職願-退職願と強迫〕 右認定事実によれば、被申請人は申請人に対し、退職願いを提出しなければ懲戒解雇することや懲戒解雇に伴う不利益を告げて退職願いの提出を要求し退職を勧告したものである。しかるところ、使用者が労働者に対し退職を勧告するに当たり当該労働者につき真に懲戒解雇に相当する事由が存する場合はともかく、そのような事由が存在しないにもかかわらず、懲戒解雇の有り得ることやそれに伴う不利益を告げることは労働者を畏怖させるに足る違法な害悪の告知であるといわざるを得ず、かかる害悪の告知の結果なされた退職願いは強迫による意思表示として取消し得るものというべきである。 |