ID番号 | : | 03921 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 中日新聞社(東京新聞)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 「芦田日記」に関する報道に際し、日記原本にない事項を上司に無申告で書筆し、右事実が判明した後も適切な協力、対応をしなかった新聞記者に対する解雇の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 不正行為 |
裁判年月日 | : | 1988年2月13日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和61年 (ヨ) 2285 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例512号34頁/労経速報1317号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-不正行為〕 本件記事は「芦田日記」そのものとして報道されたことは明らかであるから、報道の真実性に反することはいうまでもない。「芦田日記」が特に憲法九条の解釈に関し大きな史料的意義を有していることを考慮に入れると、この部分に関し本件加筆部分を付け加えて虚偽の提稿をして報道せしめたことは報道機関に携わる者として有るまじき行為であるといわなければならない。そうであるからこそ、A社等他の報道機関も右の点を厳しく指弾しているのであり、被申請人も報道機関としての存在意義を問われたのであって、申請人はこの点に関し何ら弁解の余地はないといわなければならない。本件疎明資料によれば、申請人は本件解雇処分後この全面撤回を求める異議申立てをY社労働組合になしたところ、組合は、申請人の行為は新聞記者としての根本精神・モラルに反し、別件メモの存在を明らかにする積極的な努力姿勢に欠けているなどを理由に右異議申立てを採用しなかったことを一応認めることができるが、組合のこの措置も事の重大性からみて十分首肯しうるところである。 |