ID番号 | : | 03923 |
事件名 | : | 地位保全仮処分事件 |
いわゆる事件名 | : | ヤマハ事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働者が退職届を提出した後、会社が承諾する前に右退職届を撤回したとして雇用契約上の権利を有するとして争った事例。 |
参照法条 | : | 民法95条 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 退職 / 退職願 / 退職願いの撤回 |
裁判年月日 | : | 1988年2月15日 |
裁判所名 | : | 仙台地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和62年 (ヨ) 478 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労経速報1328号20頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔退職-退職願-退職願いの撤回〕 3 右事実に照らすと、申請人が退職勧告に応じて退職届を提出したのは、従前も妻の関与したサラ金問題等で注意や処分を受け、しかもその際、夫婦共々今後二度と同様のことを繰り返して被申請人会社に迷惑をかけないという趣旨の誓約をしていたところ、今度は申請人の妻が警察沙汰にもなりかねない問題を起こしているという苦情が現に被申請人会社にきているということであり、借金の方はともあれ、そのような問題を起こしている疑いが否定できないので、もうこれ以上被申請人会社に迷惑はかけられないとして在職を憚ったことが主たる動機であったと認められる。しかるところ、申請人の妻に警察沙汰となり得る行状があり、また現に被申請人会社にかかる通報がなされて迷惑が及んでいることが先のとおり疎明されるのであるから、申請人の退職届提出による退職の意思表示にはその動機には、申請人主張の如き錯誤は何ら存しないというべきである。しかして、申請人の錯誤の主張は理由がない。 |