ID番号 | : | 03934 |
事件名 | : | 未払賃金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 北九州市高齢職員給与事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 五八歳以上の職員に対する賃上げ額を右年齢に満たない職員に対する賃上げ額より低くしたことを違法としてその差額を請求した事例。 |
参照法条 | : | 日本国憲法14条 地方公務員法13条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 |
裁判年月日 | : | 1988年3月1日 |
裁判所名 | : | 福岡地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和60年 (行ウ) 15 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例514号46頁/労経速報1337号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則-均等待遇〕 (一) 憲法一四条は法の下の平等を定め、地公法一三条はこれを受けて、地方公務員につき平等取扱の原則を定める。右各法条は、国民に対し絶対的な平等を保障したものではなく、差別すべき合理的な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、事柄の性質に応じて合理的と認められる差別的取扱をすることは何ら妨げられないというべきである。 (中略) 本件措置は、給料月額を据え置き、または減額するというものではなく、同一等級の金額幅の中でその増額の範囲を一定の限度に抑えるというものであるところ、さきにみたとおり、地公法が職務給の原則及び均衡の原則を採っており、五五歳以上の者については、職務遂行能力、生計費とも逓減する傾向にあること、さらに被告の当時の財政状態・職員の年齢構成等をも考慮すれば、被告が右の限度に止まる本件措置を採用したことは効率的財政運営の見地からやむを得ないものといわざるを得ないところであり、本件措置が、その必要性の範囲を逸脱した不当のものということはできない。 |