ID番号 | : | 03951 |
事件名 | : | 損害賠償請求各控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本電信電話事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 電話交換手の頚肩腕症候群につきNTTの安全配慮義務違反が問われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1988年3月30日 |
裁判所名 | : | 名古屋高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和58年 (ネ) 187 昭和58年 (ネ) 220 |
裁判結果 | : | 一部棄却,一部変更(上告) |
出典 | : | 時報1286号73頁/タイムズ663号230頁/労働判例523号62頁 |
審級関係 | : | 一審/津地/昭58. 3.31/昭和51年(ワ)71号 |
評釈論文 | : | 石坂俊雄、村田正人・労働法律旬報1193号53~57頁1988年6月10日 |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務・使用者の責任〕 債務不履行の問題において、その債務が何であるかを主張立証するのは、債務不履行を主張するものの当然の責任であるから、安全配慮義務違反を主張するものは、その義務の内容を特定主張すべきであり、かつまた、ことがらの性質上右義務違反に該当する事実を主張立証する責任があると解するのが相当である。しかしながら、前記(原判決引用=同一九枚目裏七行目から二五枚目表二行目まで)のように、第一審原告は、公社が昭和三九年当時既に頚肩腕障害の多発を予想し得たものであり、その有する病院医師により、労働安全衛生法に則った健康管理(健康診断等)をすべき義務があったのに、一般検診をしたのみで、頚肩腕障害に関して公社の健康管理規程による問診すら行わず、その結果同障害に対する対応が全くなされず放置された旨、また、労働密度、労働条件を軽減し、労働環境を改善すべきであったのに、作業量が増加しても交換手を増員しないとの方針のもとに合理化を実施して何らの軽減改善措置を執らず、交換手に対する十分な健康管理を尽して、頚肩腕障害の予防・早期発見に努め、発症者に対しては早期かつ最善の治療を受けさせるべきであるのに、病状進行防止、健康回復に必要適切な何らの措置をも講じなかった旨、更には、前記事実らん第二、四、8、9記載のとおり主張しているのであるから、これをもって第一審原告としての債務不履行、安全配慮義務違反の主張は足るものというべきである。 |