ID番号 | : | 04000 |
事件名 | : | 行政措置要求却下処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 人事院事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 国家公務員の昇給、昇格に関する事項は国公法八六条の行政措置要求の対象とならないとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 国家公務員法86条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権と考課査定・昇給昇格・降格・賃金の減額 |
裁判年月日 | : | 1988年8月30日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和61年 (行ウ) 11 |
裁判結果 | : | 棄却(控訴) |
出典 | : | タイムズ683号112頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金請求権と考課査定・昇給昇格・賃金の減額〕 国家公務員法八六条により行政上の措置を要求することができる勤務条件にかかる事項とは、団体協約締結権や争議権の対象となりうべき事項、すなわち職員団体との交渉の対象となりうべき事項(同法一〇八条の五でいう勤務条件)と同一であると解すべきである。そうすると、国の事務の管理及び運営に関する事項(以下「管理運営事項」という。)は、交渉の対象になり得ない(国家公務員法一〇八条の五第三項)から、行政措置を求める対象ともなり得ないと解される。 2 ところで、本件措置要求が、原告の係長への昇任及び行政職(一)表五等級への昇格を求めるものであることは当事者間に争いがないところ、具体的な職員の昇任又は昇格は、いずれも、人事権の行使にかかる事項であるから、管理運営事項にあたり、行政措置要求の対象事項ではないというべきである。したがって、本件措置要求は、その対象事項でないものについての措置を求めるもので不適法である。 |