ID番号 | : | 04006 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 恵城保育園事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 保母に対する職責違反、虚偽事実の流布等を理由とする降格処分が懲戒権の濫用にあたり無効とされ、また普通解雇も無効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の濫用 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 会社中傷・名誉毀損 解雇(民事) / 解雇事由 / 名誉・信用失墜 |
裁判年月日 | : | 1988年9月12日 |
裁判所名 | : | 高松高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和60年 (ネ) 51 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例528号80頁 |
審級関係 | : | 一審/04094/高松地丸亀支/昭60. 2. 6/昭和56年(ヨ)9号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の濫用〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-会社中傷・名誉毀損〕 以上のとおり、控訴人が本件降格の事由として主張している事由のうち、その事実が肯認されるのは、僅かに前記1(2)イの事実だけであるところ、右事実は、就業規則に定める懲戒事由に該当するものではあるが、その行為の動機及び態様からして非違性は軽微であると認められる。 そして、控訴人が本件降格の事由として主張している爾余の事実がすべて認めるに足りないことを合わせ考えると、本件降格は重きに失し、懲戒権の濫用に当たるものとして無効であるというべきである。 なお、仮に、本件降格が懲戒処分ではなく、控訴人の人事権の行使としてなされたものと解する余地があるとしても、被控訴人が、主任保母として有能であり、十分にその職責を果たしていたことは、原審証人A、同Bの各証言から明らかであり、このような事実関係の下では、前記各処分事由の大半が認められない以上、本件降格は、人事権の行使として行われた場合でも、その濫用に当たり、その効力は生じないものというべきである。 〔解雇-解雇事由-名誉・信用失墜〕 以上検討したことからすれば、被控訴人には、就業規則一一条四号その他同条所定の普通解雇事由が存在するものとは到底認められないから、本件解雇は無効であるというべきである。 |