ID番号 | : | 04022 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 尾島建築設計事務所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 競業避止義務違反を理由とする損害賠償請求が棄却された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 退職後の地位 |
裁判年月日 | : | 1988年9月30日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和62年 (ワ) 963 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例528号57頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-退職後の地位〕 訴外会社は、前記入札の経緯からも明らかなように、本件建物の建築工事代金を金一億五〇〇〇万円程度にすることに汲々とし、ようやくにしてA会社との間で金一億六九〇〇万円で工事を発注することができたという、予算上逼迫した状態にあったもので、そのような時点で工事監理費として原告の希望する金員を支出する合意はできず(被告に対し工事監理費は約一〇〇万円支払うに止まったこと前認定のとおりである)、したがって仮に、被告または被告退職後にあっては他の原告従業員が本件指示に従って訴外会社に対し工事監理契約締結の申入れをしたとしても、原告は訴外会社との間で工事監理契約を締結することはできなかったものと推認するのが相当である。 そうであるとするならば、原告と訴外会社との間において工事監理契約が締結されたことを前提とする原告主張に係る損害はいずれも被告の行為との間に因果関係を欠くもので、原告の請求はその余につき判断するまでもなく失当であるといわねばならない。 |