ID番号 | : | 04033 |
事件名 | : | 地位保全、金員支払仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 大野事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 勤務成績不良等を理由とする解雇が有効とされた事例。 解雇予告手当に不足があっても、即時解雇に固執しない限り、予告期間の経過によって解雇予告の効力が生じるとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法20条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度 解雇(民事) / 労基法20条違反の解雇の効力 |
裁判年月日 | : | 1988年10月18日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和63年 (ヨ) 1437 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例528号22頁/労経速報1344号7頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-勤務成績不良・勤務態度〕 前記事実によれば申請人は被申請人会社が控えめに設定した売上ノルマを著しく下回る営業成績しか上げられず、その改善の兆しも見当たらず、申請人の、上司の指導を受け付けないなど協調性を欠く性格からしても今後向上の余地も期待できず、加えて社内での人間関係の融和を欠くことや申請人は被申請人会社が他の職務に転属させようとしたのにこれを拒否したことをも勘案すると、申請人について就業規則一六条三号もしくは四号に該当する事由が存したものと認めることができ、被申請人会社が申請人を解雇相当と判断したことは止むを得ないものというべきである。 〔解雇-労基法20条違反の解雇の効力〕 しかし被申請人会社が支払った解雇予告手当に不足があるとしてもその不足額は僅かであり、しかも審尋の結果によれば被申請人会社は本件解雇につき即時解雇に固執するものではなく、解雇予告手当は被申請人会社が相当と判断した金額を支払ったもので、もし右金額に不足があることが終局的に確定したときはその不足額を追加して支払う意思があることが窺われるから、本件解雇は即時解雇の効力を生じなかったとしても、遅くともその意思表示がなされた日から労基法二〇条一項所定の予告期間である三〇日の期間を経過したことによりその効力を生じたものと解すべきである。 |