ID番号 | : | 04039 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 荻町立緑ケ丘中学校事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 県立養護学校教頭採用候補者選考基準の「満五五歳未満」のを充たさず不合格とされた者による損害賠償請求が棄却された事例。 |
参照法条 | : | 国家公務員法15条 国家賠償法1条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 成立 |
裁判年月日 | : | 1988年10月31日 |
裁判所名 | : | 大分地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和62年 (ワ) 717 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例528号6頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 片山純一・教育委員会月報464号58~61頁1989年4月 |
判決理由 | : | 〔労働契約-成立〕 教育公務員の採用について選考制度が設けられた理由は、教員の場合には、その一定の資格、能力は教員免許状の所持等によって具備していると評価されるので、これらに対し競争試験によらしめることは適切でなく、教員(校長、教頭も含む)として人物適性を重視するという観点から、各学校集団の意向を尊重するとともに一定の選考基準に適合するかどうかに基づいてその能力を判定するのが適当であるとされるからと考えられる。もとより、右選考基準は、教職適性等の判定のためのものであるから、右の観点に照らして不合理なものであってはならないのは当然である。 三 そこで、まず本件において県教委教育長が設けた「教頭採用候補者の選考につき満五五歳未満の者に限る」旨の選考基準が、前記観点に照らして不合理なものであったか否かについて検討するに、校長、教頭が管理職として充分その職責を果たしうるためには、教頭、校長として通じて一定期間以上その職務に就きうることが望ましいとし、このような要件を充たす者の中からのみ教頭として採用しようとすること自体は前記観点に照らして不合理とはいえないところ、大分県教職員の定年が満六〇歳であること(この点は当事者間に争いがない)に鑑みれば、本件における選考基準が前記観点に照らして不合理なものであるとは認めがたい。 |