全 情 報

ID番号 04042
事件名 退職金請求事件
いわゆる事件名 光洋精工事件
争点
事案概要  労働協約における退職金の支払いは「満五五歳到達時」とする文言の解釈につき、協約締結の経緯等に照らし「満五五歳の誕生日の属する月の末日」を指すとされた事例。
参照法条 労働基準法24条
労働基準法89条1項3号の2
体系項目 賃金(民事) / 退職金 / 退職金の支給時期
裁判年月日 1988年11月16日
裁判所名 高松地
裁判形式 判決
事件番号 昭和61年 (ワ) 525 
裁判結果 棄却
出典 労働判例531号86頁/労経速報1342号23頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔賃金-退職金-退職金の支給時期〕
 以上の各事実、ことに被告における退職金支払に関する従前の取扱い、本件協約締結に至るまでの労使交渉の経緯、就中退職金の支払については当面五五歳支払ということが確認されただけで決着し、それ以上この点について何らの交渉の対象にもならなかったこと、本件協約締結後も退職金についての従前の取扱いどおりの退職金支給がなされ、しかもそのことについて支部組合側から何らの疑義もなかったこと、更には、本件協約第二条の「五五歳到達時」が誕生日の属する月の末日と解したところで、退職金受給対象者にとっては利益にこそなっても、具体的な退職金請求権の発生時点が若干遅れる点を除けば何らの不利益にもならないことなどの諸点を総合すると、本件協約第二条にいう「満五五歳到達時」とは、満五五歳の誕生日の属する月の末日を指すものとして、本件協約が締結されたものと認めるのが相当である。
 他に右認定を左右し、本件協約において、退職金の支払について満五五歳の誕生日当日とする旨の合意がなされたとの事実を認めるに足る証拠はない。