ID番号 | : | 04052 |
事件名 | : | 懲戒処分無効確認及び賃金支払請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 三八五交通事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 無線による配車指示拒否を理由とするタクシー運転手に対する出勤停止処分が有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反 |
裁判年月日 | : | 1988年11月30日 |
裁判所名 | : | 青森地八戸支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和61年 (ワ) 99 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労経速報1344号9頁/労働判例533号72頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕 (証拠略)によれば、被告の就業規則七二条三号は、従業員が業務上の指示命令に従わなかったときは、降格、懲戒休職、減給、昇給停止、乗務停止、出勤停止の懲戒処分を行なう旨定めていることが認められ、前記第二及び第三項において説示したところによれば、被告のオペレーターのAがAVMを用い所定の方法に従って原告に対して本件配車指示を行なったところ、原告がAの了解を得ずに独断で配車先に向かわなかったこと、当時の原告の走行位置は配車先からかけ離れたものではなく、原告が交通事情等の配車先に到達するまでの所要時間が長くかかる具体的な事情をオペレーターに告げることもしなかったこと、従って、原告の所為がいわゆる「パス」としても是認される余地がないことが明らかであるから、原告に懲戒事由に該当する業務上の指示命令違反が存したものといわなければならない。そして、(証拠略)の結果によれば、原告には昭和五八年一二月二三日に配車指示に違反したことにより被告から二日間の出勤停止処分に処せられ、昭和五九年五月一四日に自車の所在地を偽って無線で報告したため被告に顛末書を提出した前歴があることが認められるばかりか、被告の事業目的及びその営業形態に照らしタクシーの無線配車指示が被告の営業の根幹をなす極めて重要な業務命令であること、原告が本件配車指示に違反した態様及び被告の事情聴取時の原告の対応を勘案すると、原告を三日間の出勤停止に処する旨の本件懲戒処分は、企業秩序維持の必要に基づく相当な範囲内のものであり、過重なものということはできない。原告本人尋問における供述中には、本件懲戒処分は重すぎるとの部分があるが右の認定及び判断に照らし採用できず、他に本件証拠上本件懲戒処分が原告主張の如く平等原則に反するものと評価しうるほどの事情も認められない。 |