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ID番号 04058
事件名 不当労働行為救済命令取消請求事件
いわゆる事件名 北九州市交通局事件
争点
事案概要  三六協定の締結・更新の拒否が地公労法一一条一項の禁止する争議行為に該当するとして、停職、戒告処分を不当労働行為とした労働委員会命令を取消した事例。
参照法条 地方公営企業労働関係法11条1項
労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動
裁判年月日 1988年12月8日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 昭和56年 (行ツ) 37 
裁判結果 棄却
出典 民集42巻10号739頁/時報1314号127頁/タイムズ698号172頁/労働判例530号6頁/裁判所時報995号1頁/金融商事814号41頁/判例地方自治63号35頁
審級関係 控訴審/01206/福岡高/昭55.10.22/昭和52年(行コ)18号
評釈論文 岩渕正紀・ジュリスト939号174~175頁1989年8月1日/岩渕正紀・法曹時報42巻1号219~236頁1990年2月/橋本勇・地方自治職員研修23巻3号104~107頁1990年3月/佐藤敬二・労働法律旬報1216号25~32頁1989年5月25日/森英樹・法学セミナー34巻4号130頁1989年4月/盛誠吾・ジュリスト936号60~65頁1989年6月15日/中山和久・判例評論371〔判例時報1327〕215~220頁1990年1月/中島茂樹・判例セレクト’89〔法学教室113別冊付録〕16頁19
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-違法争議行為・組合活動〕
 被上告人の交通局においては、従来から上告参加人同意のもとに三六協定の締結、更新を前提とした超過勤務が平常勤務として組み入れられてきたところ、上告参加人は、当該超過勤務自体に関する勤務条件については格別の要求を有していた事情は認められないのに、本件財政再建計画の実施阻止という要求を貫徹するための手段として、三六協定の締結、更新を拒否し、組合員に時間外勤務を拒否させて本件超勤拒否闘争を実施したということになるから、右超勤拒否闘争は、地公労法一一条一項の禁止する争議行為に当たるものといわなければならない。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。また、所論引用の判例は、事案を異にし、本件に適切でない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。