ID番号 | : | 04070 |
事件名 | : | 免職処分取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 多摩郵便局郵便保険外務員事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 郵便保険の外務事務員が局外払渡しの満期保険金三二万円余を横領したとして免職された事例。 |
参照法条 | : | 国家公務員法82条1号 国家公務員法82条2号 国家公務員法98条1項 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務上の不正行為 |
裁判年月日 | : | 1987年2月23日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和59年 (行コ) 61 |
裁判結果 | : | 取消(上告) |
出典 | : | タイムズ639号156頁/労働判例501号64頁/訟務月報33巻9号2325頁 |
審級関係 | : | 一審/東京地/昭59.10.11/昭和57年(行ウ)60号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務上の不正行為〕 郵政事業は公金その他金銭の取扱いを業務内容としているという性格、特質を有する国営事業であり、被控訴人のような外務事業に従事する職員は、勤務時間の大部分を管理者の直接の監督を離れた郵便局の局舎外において勤務し、自らの判断と責任により、独立して担当事務を処理するということは公知の事実であり、右のような職務の特質からみて自己の保管する金銭に対する厳正な取り扱いが要求され、いやしくもこれを領得するがごときは厳に戒められなければならないところ、被控訴人も前記のとおり長く郵政省職員として勤務していたのであるから、右の如きことは十分認識していたものと推認することができる。 したがつて、被控訴人は本件の保険金を着服した後、五日後にはこれと同額を請求人に交付しており、実害はなく、費消した金額が約三万円にすぎず、その使途も明らかでないという被控訴人の主張の諸事情を考慮に入れても、これをもつて、本件処分が重きに失し、懲戒権の濫用があるとすることはできない。 |