全 情 報

ID番号 04073
事件名 免職処分取消請求事件
いわゆる事件名 杉並郵便局事件
争点
事案概要  無断欠勤、遅刻、勤務態度不良を理由として郵便局職員に対して分限免職処分がなされた事例。
参照法条 国家公務員法78条1号
国家公務員法78条3号
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度
裁判年月日 1987年3月30日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和46年 (行ウ) 238 
裁判結果 棄却
出典 労働判例497号85頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇事由-勤務成績不良・勤務態度〕
 1 国公法七八条所定の分限制度は、公務の能率の維持及びその適正な運営の確保の目的から同条に定めるような処分権限を任命権者に認めるとともに、他方、公務員の身分保障の見地からその処分権限を発動し得る場合を限定したものである。そして、同条三号にいう「その職に必要な適格性を欠く場合」とは、当該職員の簡単に矯正することのできない持続性を有する素質、能力、性格等に基因してその職務の円滑な遂行に支障があり、又は支障を生ずる高度の蓋然性が認められる場合をいうものと解されるが、この意味における適格性の有無は、当該職員の外部に現われた行動、態度に徴して判断するほかはない。その場合、個々の行為、態度につき、その性質、態様、背景、状況等の諸般の事情に照らして評価すべきことはもちろん、それら一連の行動、態度については相互に有機的に関連づけてこれを評価すべく、更に当該職員の経歴や性格、社会環境等の一般的要素をも考慮する必要があり、これら諸般の要素を総合的に検討したうえ、当該職に要求される一般的な適格性の要件との関連においてこれを判断しなければならないのである(最高二小判昭和四八年九月一四日・民集二七巻八号九二五頁参照)。そして、国公法七八条一号の勤務実績がよくない場合についても右と同様の観点から判断することを要するのである。