ID番号 | : | 04077 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 宮崎鉄工事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 機械組立工等の職種に従事してきた労働者の私傷病休職後の復職申入れに対し、業務に耐えられないとして一旦退職したうえで守衛として再雇用する旨の会社側の勧告を拒否したことを理由とする解雇の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 病気 |
裁判年月日 | : | 1987年12月10日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和62年 (ヨ) 199 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労経速報1333号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-病気〕 申請人の作業能力は、相当程度回復しているものとみられるので、被申請人の主張するように、その作業内容が複数人の連帯作業によって、断続的に重量物を取扱う仕上組立工としては、職場復帰を果すことが困難であるとしても、他の職種例えば守衛や旋盤工等への配置換えをすれば、十分復職が可能であると考えられるから、申請人は労働協約六三条一号にいう「傷病等のため将来業務に耐えられないと認めたとき」には当らないものといわなければならない。 なお、本件では被申請人が申請人のため守衛職への再雇用を提案したのに、申請人がこれを拒否した事実はあるが、申請人に適した職種として、守衛職以外のものが考えられないわけではなく、なによりも、申請人を先ず軽作業に従事させて様子をみるなどある程度時間をかけて、申請人に適切な職場配置を検索すべきであるのに、これを怠っていささか唐突になされた右提案を、申請人が一旦謝絶したとしても、無理からぬ事情にあったと解されるから、右事実は前示判断を左右するに足りない。 そうとすれば、本件解雇は無効であるから、申請人はいまだ被申請人会社の従業員として、労働契約上の権利を有する地位にあるといわねばならない。 |