ID番号 | : | 04080 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 安田運輸事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 建築資材の運搬を業とする会社のトラック運転手が、洗車拒否、時間外労働拒否等を理由に解雇された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 業務命令違反 |
裁判年月日 | : | 1986年2月28日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和60年 (ヨ) 2328 |
裁判結果 | : | (抗告) |
出典 | : | 労働民例集37巻1号151頁/労経速報1273号30頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 岩出誠・ジュリスト912号113~116頁1988年7月1日 |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-業務命令違反〕 申請人両名が洗車を拒否したこと、組合のマーク及びネームの入つた作業服を着用したこと、申請人両名の勤務態度は反抗的でありまた社内で融和を欠いていること、事故率が高いこと、更には昭和六〇年七月八日に被申請人の車両に無断で乗車しその使用を妨害したことは、業務命令違反ないし職場の秩序を乱すものと一応認められるが、他方洗車拒否については、その拒否のなされた日数は六日間にすぎず、洗車自体運転業務の付随的な業務にすぎないこと、また組合ネーム等を作業衣につけたこと自体は比較的軽微な行為であり、これ自体をもつて解雇事由と認めることはできず、また申請人両名の言動も上司の言動に基因する面も見受けられること、事故率についても、損害額の面からいえばそれ程大きなものではないこと、昭和六〇年七月八日申請人両名が車両に無断で乗り込んだことについては、自宅待機という処置自体が組合の争議行為である時間外労働拒否に対してなされた面を有し、また車両を使用しえなかつたことによる業務への影響があつたとの疎明もないこともあり、これらの事情を総合すると、右各事由それ自体一〇条一項三号の解雇事由には当たらず、またこれらを総合してもいまだ、就業規則一〇条一項三号の解雇事由に該当するものとはいい難く、他にこれを認めるに足りる疎明はない。 |