全 情 報

ID番号 04109
事件名 地位保全仮処分申請事件
いわゆる事件名 日東化工事件
争点
事案概要  湘南工場から桑名工場への転勤命令が不当労働行為にあたり無効とされ、右命令拒否を理由とする懲戒解雇が無効とされた事例。
参照法条 労働基準法2章
労働基準法89条1項9号
労働組合法7条1号
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の限界
懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反
裁判年月日 1985年4月25日
裁判所名 横浜地
裁判形式 判決
事件番号 昭和54年 (ヨ) 604 
裁判結果 一部認容
出典 労働判例484号143頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の限界〕
〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕
 以上の事実によれば、会社は申請人らがいずれも社青同グループに属し普段の活動もさることながら闘争時においては組合とは別により強い要求を掲げて闘争し、また会社の合理化政策に対しても事毎に反対し活発な組合活動を続けてきたことを嫌悪していたことは明らかであり、申請人らに対する本件配転命令が、桑名工場において希望退職者募集開始の初日に一三名の退職希望者が出ただけで未だ募集期間が満了せずしたがって退職者の数が不確定でその後の配員計画を立て得ない段階においてなされたこと、湘南工場等から桑名工場へ一〇名の配転をなすべき合理性がないこと及び申請人らを選定した合理的理由の認められないことを勘案すると、本件配転命令は、会社が申請人らの組合活動を嫌いこれを排除する目的で合理化計画実施の機会にこれに藉口してなした労組法七条一号に違反する不当労働行為であると認めることができる。したがって申請人らが右配転命命に従わなかったことを理由としてなされた本件懲戒解雇もまた、被申請人の不当労働行為意思に基づく処分として同号所定の不当労働行為に該当し、無効となるものといわなければならない。