ID番号 | : | 04118 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 川崎重工神戸造船所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 造船所内の走行足場とドッグの壁との間にはさまれて死亡した労働者の遺族が使用者を相手どって損害賠償を請求した事例。 |
参照法条 | : | 民法415条 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1985年6月20日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和55年 (ワ) 364 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例463号86頁/労経速報1231号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務・使用者の責任〕 右一及び二の事実によれば、本件足場の運行時(したがって、修理やテストのための運行も当然これに含まれるものと解すべきである。)はその床板上には運転者以外立入ることを禁止され、Aもその旨の教育を受けてこれを熟知していたものであり、Bは本件事故直前における右足場の運行開始に先立って、Aに対し右足場から退去するよう注意し、その運行につき定められた運転作業基準に従ってその前後の安全を確認した後、その発進の合図をしてこれを走行させたことが明らかであるから、請求原因3(一)(2)(運転開始の合図)及び同(4)(作業基準の整備)の主張はいずれも理由がない。 右のとおり本件足場の床板上はその走行中運転者以外の者の立入る必要がなく、その立入が禁止されているものであり、ドックサイドには〇・九三メートルの高さの手すりが設置されているからその運行中に誤ってこれに乗り込む者があることは通常予想できないところであり、乗り込みの防止又は乗り込み者とゴムフェンダーの接触を防止すべき装置を設置しなかったからといって、本件足場が通常有すべき安全性を欠いていたということはできず、また本件作業は第四ドックから他の作業員がすべて退去した後に行われたものであり、本件作業要員以外に監視要員を配置すべき必要性も認めることはできないから、請求原因3(一)(1)(危険防止装置の設置・設置の瑕疵)及び同(3)(監視態勢の整備)の主張はいずれも理由がない。 |