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ID番号 04119
事件名 懲戒処分取消請求事件
いわゆる事件名 北九州市(四三年闘争)事件
争点
事案概要  争議時における職場離脱、抗議行動等を理由として懲戒免職処分とされた地方公務員がその効力を争った事例。
参照法条 地方公務員法29条1項
地方公務員法32条
地方公務員法33条
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動
懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の濫用
裁判年月日 1985年6月26日
裁判所名 福岡地
裁判形式 判決
事件番号 昭和43年 (行ウ) 72 
裁判結果 棄却
出典 労働判例468号82頁
審級関係 上告審/04775/三小/平 1. 6.20/昭和63年(行ツ)83号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-違法争議行為・組合活動〕
 以上の事実によると、同原告の右各行為は、地公法三〇条、三二条、三三条、三五条、地公労法一一条一項に違反し、地公法二九条一項一号ないし三号の各懲戒事由に該当するものというべきである。
〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の濫用〕
 地方公務員に懲戒事由がある場合に、懲戒権者が当該公務員を懲戒処分に付すべきかどうか、また、懲戒処分をするときにいかなる懲戒処分を選択すべきかを決するについては公正でなければならない(地公法二七条)ことはもちろんであるが、懲戒権者は懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、その他諸般の事情を考慮して、懲戒処分に付すべきかどうか、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定できるのであって、それらは懲戒権者の裁量に任されているものと解される。したがって、右の裁量は恣意にわたることをえないことは当然であるが、懲戒権者が右の裁量権の行使としてした懲戒処分は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し、これを濫用したと認められる場合でない限り、その裁量権の範囲内にあるものとして違法とならないものというべきである(最高裁判所昭和五二年一二月二〇日第三小法廷判決・民集三一巻七号一一〇一頁参照)。
 これを本件についてみるに、前記三で判示した原告らの各違法行為の性質、態様及び情状に照らすと、懲戒免職処分を選択するにあたっては特に慎重な配慮を要することを考慮したとしても、本件各処分が社会観念上著しく妥当を欠くものとまではいい難い。