ID番号 | : | 04132 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 相銀住宅ローン事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 住宅資金融資会社の審査役が経歴詐称、特定業者との癒着等を理由に懲戒解雇された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務上の不正行為 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 経歴詐称 |
裁判年月日 | : | 1985年10月7日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和60年 (ヨ) 2218 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働判例463号68頁/労経速報1239号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | ・季刊公企労研究66号115~118頁1986年3月 |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-経歴詐称〕 まず、前記二(1)の行為は、大学入学の事実がなく、警察官としての経歴も警察学校在籍期間を含めて約一年五か月しかないのに、大学に入学し、警察官として約九年の経歴を有すると偽ったものである。ところで、被申請人会社は多額の融資を取り扱う住宅金融会社であり、特にその窓口となって融資決定のための調査等を直接担当する審査役については、職務能力の面での評価のみならず、人物としての信頼性も当然に要求されるものというべきであるから、このように経歴を偽ること自体が既に審査役としての適格性に疑いをもたせるものであり、しかも、被申請人会社が大学入学の事実を能力評価の目安とし、警察官としての経歴の長さを信頼性評価の拠り所として申請人を雇用したことを考慮すれば、このような経歴詐称は、重要な経歴を偽ったものとして、就業規則五〇条七号の懲戒事由に該当するものといわなければならない。 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務上の不正行為〕 また、前記二(2)の行為は、特定業者と癒着して過度の供応を受けたとの評価を免れないものであり、就業規則七条七号の服務規律に違反し、その情状が重いものとして同五〇条一号の懲戒事由に該当し、同(3)の行為は、同条一一号の懲戒事由に該当する。 |