ID番号 | : | 04133 |
事件名 | : | 不当労働行為救済命令取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 第一学習社事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 仕事上のミスにつき始末書を提出しなかったことを理由とする組合委員長に対する懲戒処分(出勤停止四日)、同人に対する配転を不当労働行為とする労委の救済命令の取消請求にかかる事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 労働組合法7条1号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反 |
裁判年月日 | : | 1985年10月8日 |
裁判所名 | : | 広島地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和52年 (行ウ) 9 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例467号80頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 中町誠・救済命令取消判決の解説・研究490~491頁1989年12月 |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕 Aが上記の所為に関し、原告の指示に反して始末書を提出しなかった点について検討するに、(証拠略)によれば、原告は従業員にいわゆる不始末があって口頭による注意のみでは不十分と考えられる場合、慣例的に当該従業員から始末書を作成、提出させる方針をとっていること、本件処分の後であるが、一労の組合員が職務上のミスを認めて始末書を提出した事例もあることが認められ、Aの上記所為(原稿の欠落及び改変)が組合活動とは全く関係のないものであることを併せ考えると、同人が原告の再三の要求を拒否して始末書を提出しなかったのは意固地な態度とも評すべく、たやすく支持し難いものがある。 しかし、始末書要求の就業規則(証拠略)上の根拠としては、その五七条が、制裁(懲戒処分)の一つである譴責の内容として、「始末書をとり将来を戒める」と定めているのみであり、本件の場合、Aに対し制裁としての譴責を加えることは明示されておらず、原告としてもその意思であったとはみられないから、同人が始末書提出を拒否する以上、その提出を強制したり、その不提出を理由に制裁を課することはその根拠に乏しいといわなければならない。 |