ID番号 | : | 04214 |
事件名 | : | 雇傭関係存在確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 三田交通事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | タクシー運転手に対する、乗車拒否・上司への反抗を理由とする懲戒解雇が有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 暴力・暴行・暴言 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務懈怠・欠勤 |
裁判年月日 | : | 1970年12月22日 |
裁判所名 | : | 千葉地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和44年 (ワ) 192 |
裁判結果 | : | 棄却(控訴) |
出典 | : | 時報619号89頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-暴力・暴行・暴言〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務懈怠・欠勤〕 (解雇の正当性)《証拠略》を総合すると次の事実を認めることができる。すなわち、A、B課長らは当初原告が会社側の注意、説得を聞き入れて一五日になした乗車拒否を反省し、以後これを繰り返さないと約束すれば、原告を懲戒処分に付す考えは持っていなかった。ところが、原告が一六日被告の専務室で会社側の説得を聞き入れようとせず、反抗的態度を示したので、被告は原告の処遇にとまどい、労働組合の執行委員らに組合の意見を求めた。執行委員六名(八名のうち二名欠席)は同日緊急執行委員会を開いて協議をしたが、組合と会社側が原告を説得したのに全然効果がなかったうえ、原告が組合の世話にはならないなどといっていたので、手の打ちようもなく、被告が原告を解雇するというのならやむを得ないという結論になり、同日午後四時ころA課長に組合としては被告に一任するほかないと報告した。A課長がこれまでの事情を上司に報告し、原告が一月一七日に欠勤したので、被告はとりあえず原告を一週間の出勤停止処分に付し、ますます自主的規制を要請される業界の趨勢と原告の態度を照らし合わせるなどして慎重に検討したうえ、原告を懲戒解雇することに決定し、一月二三日その旨を原告に通知した。以上の事実によると被告が七二条一三号と二〇号に該当することを理由として原告を懲戒解雇したのは正当であるということができ、被告が解雇権を濫用したとの事実を認めるにたりる証拠はない。 |