ID番号 | : | 04225 |
事件名 | : | 地位確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 山下新日本汽船事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 船員が乗船中の同僚の留守宅でその家族に暴行を加えた等の理由で解雇された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 暴力・暴行・暴言 |
裁判年月日 | : | 1969年2月14日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ワ) 1012 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | タイムズ233号136頁 |
審級関係 | : | 控訴審/01978/東京高/昭49. 7.17/昭和44年(ネ)426号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-暴力・暴行〕 前記(一)1の船員留守宅をおびやかす行為は、それ自体としては右賞罰規程の定める要件に該当せず、職場外における非行ではある。しかし船員は長期間家族と離れて海上において労働し、しかもその間陸上相互間に比し通信連絡手段に恵まれていないという特殊の労働環境に在ることは顕著な事実であるから、海上勤務中の船員留守宅の安全は船員の労働意欲維持のため不可欠の要請であつて、これをおびやかすことは、いわゆる職務外の非行ではなく、被告の業務に支障を来す非行と評価さるべきである。 その情状をみるに、前記(一)4記載の同種の所為と併せ考えるとき、情状重しといわさるを得ない。 〈証拠〉によつて認めうる被告の船員就業規則は船員の解雇事由として「著しく職務に不適任であると認められたとき」(一四条四号)と規定することが明らかであるところ、原告の右留宅をおびやかす行為と前記船内秩序をみだしかつ帰船しない行為とを総合すれば、原告はまさにこの条項にも該当する。 |