ID番号 | : | 04236 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 宗次郎損害賠償事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 事故により死亡した者の逸失利益の算定に関連して右の者が人夫募集により得ていた利益につき損害として請求できるか否かが争われた事例(否定)。 |
参照法条 | : | 労働基準法6条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 中間搾取 |
裁判年月日 | : | 1969年3月24日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ワ) 12884 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | タイムズ234号212頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則-中間搾取〕 <証拠>によれば、訴外Aは死亡時五八歳であつたことが認められ、<証拠>によれば、訴外Aの仕事は山間部における工事現場の監督と電気機具の配線修理、点検等の担当であることが認められ、かかる職種に照らし、同人の労働可能年数は六三歳までの五年間を以つて相当と認める。 次に事故の前年である昭和四〇年における訴外Aの収入は、<証拠>によれば、訴外AはB株式会社に雇われ前記仕事に従事し、五月から一一月までに三二万二七八七円の賃金を得たことが認められ、これに反する甲第五号証は俄かに措信し難く、他に右認定を覆えずに足りる証拠はなく、失業保険七万四八二〇円の給付を受けていたことは当事者間に争がない。ところで、<証拠>によれば、訴外Aは、右の外に、業として人夫募集を行ない利益を得ていたことが認められるが、かかる行為は労働基準法六条に違反するものであり、その利益の喪失による損害は法律上保護するに値しない。 |