ID番号 | : | 04240 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 株式会社大安事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 会社派の従業員から暴行を受けたとして会社および加害者を訴追したことを理由として解雇された従業員がその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 業務妨害 |
裁判年月日 | : | 1969年4月16日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和43年 (ヨ) 2413 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 時報557号271頁/タイムズ238号265頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-業務妨害〕 およそ他から自己の権利を侵害された場合、被害者がこれが救済を裁判に求める権利を有し、一旦提起した訴えを取り下げるかどうかはその自由に委ねられていることは他言を要しないところ、本件の場合、申請人両名は、A、Bから暴行、傷害を受けたのであり、その余の会社らを前記訴訟の被告としたことは、暴行等の場所、時間、居合わせた他の従業員の態度、会社内における従来の思想上等の対立からみて、申請人両名にとり無理からぬところと一応云えるから、前記訴訟を提起してこれを維持することは、両名に許容されるべき権利の行使に属することは明らかである。 被申請人は、前記訴訟は民事訴訟に藉口して会社を経済的社会的に窮地に追い込み、もって会社を破壊倒産させようとする意図によるものであると主張するが、これを認めるべき資料はない。 更に、被申請人は、申請人両名は前記解雇反対の抗議団の手引をする等して会社の業務を妨害し重大な損害を与えたと主張するが、これを認めるに足りる疏明もない。 そうだとすると、本件各解雇の意思表示は、いずれも理由のない解雇で恣意によるものというのほかなく、解雇権の濫用として無効というべきである。 |