ID番号 | : | 04248 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 興国化学工業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 職場内でのアカハタ配布を上司にとがめられ、職場内での文書配布を禁ずる就業規則の遵守について説諭されたのに対し、就業規則に従うことを全面的に拒否するが如き言動をしたとして解雇された運動靴の製造会社の購買課員がその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 上司反抗 |
裁判年月日 | : | 1969年5月31日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和40年 (ヨ) 2221 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 時報572号82頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-上司反抗〕 前掲各証言によると、会社は、申請人の調査時における以上の態度は、採用時における誓約に反して就業規則に従うことを将来共全面的に否定するものにほかならず、これは同規則三五条一〇号および八号に該当すると考え、同条項を適用して本件解雇をしたことが一応認定できる。 (中略) 申請人の上司に対する前記態度は、就業規則三五条一〇号および八号の定めに一応該当しなくはないが、会社において、申請人が右態度をとった真意を確かめることなく、また、同人に若干の時日の余裕を与えて就業規則の今後における遵守状況如何を見守ることもせず、入社后五年余り経過し職務精励により表彰まで受けた申請人に対し、前記態度を理由として調査当日直ちに解雇をもって臨むことは、余りにも酷に過ぎるものといえよう。そうだとすると、他に解雇理由についてなんら主張のない本件においては、本件解雇の意思表示は、結局会社の恣意によるもので解雇権の乱用に該当すると解すべきである。 |